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潰瘍性大腸炎の正体は・・

腸骨がこわばっている

潰瘍性大腸炎というのは、医学的には難病指定を受けています。
症状そのものが苦しく、日常生活を送るのに大きな支障をきたすにもかかわらず、治療方法が確立していないからでしょう。

・・でもそうしますと、腰痛もまた確固とした治療方法がありませんから、こちらだって難病といってもよいのかもしれません。

それはさておき、潰瘍性大腸炎の方を拝見しますと、腸骨がこわばっている方が多いように思います。

腸骨というだけあって、たいへん腸に影響のある骨です。
これが硬くなって弾力がないものですから、腸としてはたまったものではありません。
当然のように腸としての活動も、なかなかうまくゆきません。
かくてストライキ(炎症)を起こしてしまうようになりますと、これはとてもシンドイ。
ちなみにこれは特に上行結腸、あるいは下行結腸に来ているケースで、腸骨に来ていないパターンも、あります。

原因はとても古いもの

潰瘍性大腸炎を患ったMさんは、左側の腸骨が、右に比べてカチカチです。

しかも、子どもの頃から左側に支障が出ることが多かったとのお話。
つまり、ずっと以前からそうなる原因があったということだと考えて自然だと思います。

しかし古傷を探してみても、左側にさしたるものは見当たりません。
おそらくこれは、生まれるときに、なにかしら頭部に圧迫がかかり、頭部のこわばりと、そこからオーバーフローしたものがからだの各所に内攻した、と考えられます。

ただし操法自体はスムーズで、Mさんのからだの反応も悪くない。
古い原因特有のしつこさはありますが、さほど頑固な感じでもありません。

5回ほど操法しますと、Mさんは明らかに痛みのボリュームは下がり、下痢もほぼなくなったとお話してくださいました。
操法した場所ですが、主には頭部、そして左手がメインになります。
この調子で続けて行くと腸だけではなく、からだ全身の体調ももっとよくなってゆくでしょう。


こじれていたケースも

Mさんは、スムーズに経過をしていったケースだと思います。
ただ、すべてがすべてそのようにゆくわけでもなく、私が拝見した潰瘍性大腸炎のクライアントさんで、こんどの方はFさんとします。
正直なところこの方は難しく、私の経験したなかでは難儀した方のケースの方でした。
よくぞあきらめずにお越しいただいたと敬服します。

本当にこじれてしまって難しくなっている方は、サッサッと治っていくというわけにはいきません。
ですからもう、すぐにあきらめてしまう方もあります。

すぐには変わりようもないような難症の方がよくなるには、治療者との信頼関係がなにより大切です。
だからこそ私は、どんな(たとえ簡単と思われる)病気や症状でもからだを信じ、生命を信じて全身全霊で操法します。
あとは当事者ご本人がどう感じるか、ということなのだと思います。


古い頭部の打撲があった

昔の打撲が離れた箇所を引っ張って悪さをするというケースはしばしばあります。
でもそれは比較的わかりやすく、調整に難儀することはまずありません。

頭のこわばりというのは、どこに圧迫をかけても不思議ではありません。
もしも頭部のこわばりが骨盤に圧迫をかけているのであれば、頭部を調整すれば済むお話ですので、できればそうあってほしいなァと、そういう期待をもって臨みました。

ところがあにはからんや、意外とやさしいかもしれないと思いつつ操法をしてみますと、実際には頭部の調整ではどこもゆるまず、逆に頭部が少しゆるむと別の箇所に違和感が出てしまう始末。
正直、私はアセりました。
足をやっても、腕をやってもどこかに違和感が出てきます。
これが、どこをやっても同じなのです。
「どこかがゆるむと、どこかがこわばる」

・・これには参りました。
正直なところ初回は、もうどうにもならない状態で終わりました。
私の完敗です。
しかしFさんは、そのあとも通い続けてきてくれました。

ただし、その後もすぐには大きく状況を打開できる場面はあらわれません。
それでも地道な作業が功を奏し、薄皮をはがすようにではありますが徐々に徐々に、Fさんは快復してゆきました。
潰瘍性大腸炎による腸の具合も、調子がよくなってきました。
しかし症状は腸だけではなく、からだ中にコリやハリもあり、それがまだスッキリとはゆきません。

ですので私の感触としては、まだFさんのからだの状態は、「ここがこうなって、だからこのようになっている」というふうなまでの腑には落ちてはいませんでした。

今考えてみれば本当は、腸や全身にテンションをかけている黒幕的ポイントがあったのですが、その頃はまだ、そこまでの細かな観察眼はなかったのです。

複雑に絡み合った圧迫

ようやくある程度のスッキリ感が出るまでの快復にたどり着いたとき、その、さまざまに交錯したテンションの圧迫の在り方に、当時の私は震撼を覚えました。
こんなところまでも細かくからだを読まなければ、快復しないからだもあるのだ」、と。

ざっくりとどのような状態かを述べてみますと、
足首の定着したこわばりがあり、それが上に圧迫をかけ、骨盤を下からこわばらせ、そのこわばりが骨盤の上に溜まってから、また戻るように骨盤の下部に圧迫をかけます。

それによって骨盤は、仙骨と腸骨がとても硬くなり、その硬さが頭部にも圧迫をかけ、それによって固くなった頭部がまた骨盤へと帰ってきて圧迫をかけていた・・と言えばよいでしょうか・・

これだけ硬くなりますと、生体組織も過敏になり、免疫細胞だって混乱して敵味方の区別がつかなくなるのもムリはない、と思えるのです。
しかしてその深部にあるのは、足の趾(ゆび)の詰まり、これこそが潰瘍性大腸炎をはじめとする、自己免疫疾患や難病の重要な観察点ではないか、という思いを新たにするのでした。

横浜市戸塚区 整体 愉和 清水