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七、一般向け操法のポイント

ここでは一般の方向けに、施術をシンプルにアレンジしてご案内したいと思います。
これはやったモン勝ちであるのは、間違いのないところです。

まず、おそらく最初はご家族か、お知り合いに施術することになると思います。

一般向けの特徴は、「お金が発生することはなく」、「時間が空けばできる」、そのため金銭を気にしないで継続してできるということになりましょうか。
これは、一般向けの明らかなメリットになります。

ただしその一方、技術的な未熟は致し方ないとして、身内であるために「甘え」、「甘やかし」が発生しがちになる、これがデメリットになります。
そのあたりを踏まえ、一般向けの操法のポイントを挙げてみます。

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観察の際、流れを感じようとして、どうにかして流れを探そうとしますと、手でまさぐるような感じになってしまい、力が入ってしまうことがあります。
これでは感じることはできません。

気持ち的に前のめりにならず、ゆったりと構えて、わかりにくいと思ったら逆に、更に気持ち引く(離す)ようにしますと、わかりやすくなるでしょう。
さわるかさわらないか程度、もしくは紙一枚へだてる、また手をかざす、あるいはそっと意識を向ける・フォーカスする、このようにして流れを感じます。
慣れてきますと、そのようにすれば、もうそこには流れるベルトコンベアーがあって、すぐにわかるようになります。

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ここで一般向けの実践についてお話いたします。

まずは両手両足、そして頭、この五体とも言うべき部分だけを念頭に置いてください。
そして、両手両足、両首の流れがどうなっているか(手足だったら体幹から先端なのか先端から体幹なのか、または首だったら左右が上から下か、あるいは下から上か)、ただそれだけを見極めてください。

流れを観察するのはたったの6ポイントです(両手両足と、首は左右あるので6ポイントになります)。

※例;右手からの流れ(右手だけ確認できればOKです)

※例;右足からの流れ(右足だけ確認できればOKです)

そのようにして、どこかの指先、あるいは頭部にたどり着きますが(指先から、あるいは頭からの流れがある箇所)、そうしたらその場所に意識を向けてみてください。
もしくは、さわらない状態で手をかざしてみてください(この作業を操法と呼びます)。

たとえば仮に、先記図解のごとく右手の流れだけが指先から肩に向かっていれば右手全体(指先から肩関節あたりまでゾーンで)、

仮に右足の流れだけが指先から股関節に向かっていれば右足全体(指先から股関節あたりまでゾーンで)、

また、左右両首の流れが上から下であれば、頭から脊椎(背骨)、尾骨(お尻の下)あたりまでオタマジャクシ状にゾーンで。

そうするとやがて流れが変わり、また別のポイントに移ります。
そうしたらまたそのポイントを探し(矢印の発進場所が変わるわけです)、同様に操法をします。

そのようにして、流れを観察しながら操法を続けてみてください。

五箇所のなかのどこのポイントかだけを確実に観察にて見極め、厭かずに操法を続けていけば、これだけでもかなり変わってラクになる可能性があります。
※もしも流れがどうしてもわからない場合は、左右両手両足、もしくは頭からのオタマジャクシのどれかを操法してみて、いちばんイイ感じがする箇所をやっていってみてください。

そして、より観察ができるようになったら、どの指かまでを特定できれば、より精度は高まります。

※例;手足とも中指から流れが発生していた場合。



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ちなみに流れを見誤って的外れな場所を操法すると、なかには逆効果になることがありますので、必ず気持ちのよさがあるかを本人に確認しながらおこなうようにしましょう。
また、やっていて、もし少しでもご本人に違和感が出るようであれば、その場合は中止してください。

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根つめて、ムリをするまでやることはありません。

操者にムリがかかっていますと、受けるご本人も疲れてしまったりします。
そうすると、お互いに操法が憂鬱になったりしますので、よくありません。
これはいろいろやっている内に、けっこう時間が経ってしまって疲れを感じてきたときも同様です。

またもしも、操者はやる気マンマンなのだけれども、受けるご本人が疲れてきたという場合、これもムリして続けるべきではありません。
この逆の場合も同様です。

この操法は本来、操者と受け手、双方癒やされるべきものですので、「愉しく、和む」イメージでおこなってください。
疲れそうになったら、いったん中止して、次回またやればよいのです。

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観察も操法も、本人ができるだけ力が抜けている方がよいので、ともかくラクな格好でおこないます。
途中体勢は何度変えてもかまいません。

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親しい間柄の方が、操法を受ける側だったとしますと、いろいろ話しかけてくることも想定されます。
でも、集注したい場面も出てくるかと思います。
そんなときは、「ちょっと集注するから、いまだけ待ってて」と言って、待ってもらいましょう。

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操者が一生懸命やっていると、受ける側は気を遣ったりすることがあります。
(本当かどうかは別として)「けっこうラクになったかも」、なんて言葉が出たりすることもあるかと思いますが、その言葉を期待するような態度は見せない方がよいでしょう。
毎度、受け手ご本人が気を遣うようになってしまいますと、操法を受けようというモチベーションが削がれてしまいますので、相手に気を遣わせない方向に持って行くようにしましょう。

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一日何回やるとか、ノルマを課すのは止めましょう。
自分自身も疲れてしまいますし、相手の方も「また~?」という感じになってしまう可能性があります。

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生活習慣が病気や症状の原因となっていることがありますので、あてはまるものがありましたら、注意していただいた方がよいでしょう。

1、 合わない靴

2、 カバンの持ち方(特にショルダーバッグ)
片側にかける方が多いと思いますが、そちら側の肩こりの原因になったりします。

3、 髪の束ね方
きつく縛り続けますと、頭蓋骨がこわばってしまうことがあります。

4、 きつめのブラジャー
胸全体を締め付けます。

5、 常に同じ側だけ足を組む(横座りも)

6、 片方だけの歯で咀嚼する
頭部の片側のこわばりとなってしまいます。

7、 ピアスをずっとつけている

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操法後はからだが変化している可能性がありますので、ご本人には当日は飲酒をひかえ、湯船には入らずにシャワーにしてもらった方がよい旨、お伝えください。

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仮に、ご自分のお子さんが赤ちゃんのころになにかあった(たとえば打撲があったりする)場合、そこに手を当ててみて、本人が「気持ちがいい」という感覚がありましたら、寝るときにでも手を当ててあげてみるということは、とても有効だと思います。

これを、折にふれてやっていきますと(たとえば衝撃が残っていた場合)、その衝撃は少しづつでも解放されてゆきます。

これは後々、大きな違いになります。

相手がまだ幼くて、からだの観察や操法が難しい場合は、このようにしてやるとよいでしょう。

ただし、一日何回やるとか、ノルマを課すのは止めましょう。
自分自身も疲れてしまいますし、相手の方も「また~?」という感じになってしまう可能性があります。

ユル~くでよいですので、長い期間を続けていただいた方がよいです。