Home > 症状別施術法 > やっかいでこじれた坐骨神経痛

やっかいでこじれた坐骨神経痛

歩行困難一歩手前

歩くのがやっとという風情で愉和に見えたDさん。
ずっとこの痛みがあり、辛い日々を過ごしてこられたとのこと。

日によって若干やわらぐようなことも一切なく、厳然として常に痛みがかたわらにあり、いっときも息を抜かせてくれないとおっしゃいます。

痛いのはお尻のやや下側で、これがどうともならず、なにをやっても変わらないとのお話。
あとは、同じ側の足のしびれ。

からだを横たえるときも、仰向け・うつ伏せまったくダメ。
片側の横向きのみOKといった按配。

もちろん操法は、この体勢から始めるほかはありません。

さわっても、ゆるめても、痛い

Dさんのようなケースは、まず間違いなくお尻の筋肉、梨状筋が張っていて、仙骨(せんこつ)から出ている坐骨神経を圧迫しています。

ところが、なぜお尻が凝るかといいますと、表側のお腹がかたくなっていて、それがお尻側を引っ張ってかたくさせます。
さらに言いますと、そうなるには恥骨から股関節のあたりにモンダイがあることが多い。

ですから恥骨・股関節部分のそけい部を調整し、お腹をゆるめるのが坐骨神経痛の急所です。
そのためにそれ以前に、足首、ヒザを調整しておくのが望ましい。

ただし、Dさんの状況はかなり極端になっていて、硬直のしかたが半端ではありません。
しかも、片側のみの横向きという限られた姿勢のなかでしか操法はできないのです。

しかも、患部であるお尻の下部ですが、ちょっとふれただけでもズン!と痛みが来ますし、それではということで、その箇所をゆるめるようにしても、同じように痛みます。
ゆるめても痛いというまでのこじれ方というのは、なかなかありません。
要は、こわばってもゆるんでも、変化そのものが痛みを誘発するという状態です。

これは、とりつくシマがない。

お腹を操法する

まずは、常にある激痛を処置しなくてはなりません。
とにかく、辛いですから。

よって、現段階においての最善の方法は、痛みを起こしている直接の原因であるお腹を、横向きのまま操法しることしかありません。

片手でそけい部あたりからお腹までを触診し、硬直の箇所をゆるめます。
初回は、ほぼそれに終始したといってよいでしょう。

結果、お腹が軽くなったという感覚はなかったようですが、立ってもらいますと、明らかに痛みは一段階減ったとおっしゃいます。

仰向けができた

Dさんの場合、硬直が激しかったですから、原因がかなりこじれていたといってよいでしょう。
ですから一般の坐骨神経痛を施術するように、一気にスッと軽くなるということはありませんでした。

いわゆる薄皮をはがすように・・、という感じで操法を重ねてゆきましたが、それでも次第に仰向けもうつ伏せもムリなくできるようになり、そうしますとグッと操法もやりやすくなります。

また、骨盤の歪み、筋肉の硬直がそれだけ激しかったということは、お腹の上部、また肋骨のあたりとも連動して症状を起こしていますので、上半身も操法することが必要です。

また、この方の場合、ヘルニアの反応がありましたので(以前にヘルニアの診断あり)、最後にその箇所を調整しますと、なんの問題もなくなったそうです。

ときに、歩行不能となってしまった方の操法ですが、これは一回で立って歩けるようになることもありますが、やはり一時間やそこらではムリな場合もあります。

また、からだが過敏になってしまっている場合、操法で症状がやわらいでも、往復のあいだにゆるんだところに負荷がかかり、また痛みが出るというケースも、マレながらありました。

歩行不能の方で、その後に時間が空いていたことがあり、時間を延長して歩けるようになった例もありますが、これは非常に精神的にシビアな施術となります。

兎に角、そうなってからではなく、ぜひそうなる前にお越しいただきたい。