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狭心症の意外な原因

狭心症という病名に惑わされない

愉和には、痛みのみならず、病気や体調不良でお越しになる方も多いのですが、狭心症の方もお見えになります。
おひとり、Tさんとしておきます。
からだを拝見しますと若い頃、ずいぶんとハードにお仕事をされてこられたのがよくわかります。

今の若い方はご存じないかもしれないけど、とにかく、一生懸命働くことが美徳とされていた時代がありました。
「モーレツ」などという流行語もあったようです。
信じられないでショ。

それはさておきTさんですが、狭心症ということでいろいろと処置をされてきたとのこと。
ところで心臓、肺、気管支、あるいは胃や十二指腸、膵臓にいたるまで、それらの疾患には必ず、なにかしら肋骨(ろっこつ)や鎖骨(さこつ)に変動があります。
これまでぜんそくでも胃や肺の疾患でも、肋骨を操法して変わらなかったことはあまりありません。

ですから肋骨(ろっこつ)は診るのは当然として、なにが肋骨をそのようにさせたのか、いかなる原因でそのようなバランスにあいなったのか、症状の起こる以前、その経緯を読むのが大切です。

重いものが胸に乗っかった

全身のバランスを整えてから胸郭(鎖骨や肋骨)を診てみました。
通常はなかなかわからないかもしれませんが、私が手で確認してみますと、やはりといいますか、あきらかななにかしらの衝撃の痕跡がありました。

それで、以前になにか胸を打ったり交通事故があったりしないか訪ねてみましたが、なんでも非常に重たいものを胸に乗せてしまったことがあるとのこと。
・・というわけであっけなく腑に落ちたわけですが、おそらく原因はそれ以外のものではないでしょう。

モンダイは、衝撃の跡のある箇所の処置です。
こじれ具合によって、弾力を恢復させるまでの経緯の複雑さが変わってまいります。

結局、操法後にTさんがどうなったかといいますと、まず自覚として胸のあたりの感覚がまったく変ったということです。
一気に軽くなった感じ、また拡がった感じ、そして呼吸が深くなったなどなど・・

もちろんこれで狭心症が一気に治るかどうかはまた別です。
ただし少なくとも、狭心症を起こすに到った原因と、そうなるようなバランスは改善されたのではないでしょうか。

冠攣縮性狭心症

狭心症の典型的な原因というのは、だいたいが左手の指のこわばりで、そこから胸にテンションがかかり、心臓あたりの部位の肋骨を詰まらせるというものです
ただし、それ以外にもまだまだ原因はあり得ます。

毎日発作が起きて、そのたびにニトロスプレーを処方していたというOさん。
首や肩が張り、そうしてからなにかがプチンとはじけるような感覚があってから、発作が始まるとおっしゃいます。
病院へ行っても、ニトロスプレーを出されて、発作が出たらそれで対処するという方法しかないとのこと。

私が診てみますと、昔、小さい頃に負った足首の怪我があり、そちらをかばうために反対側の足を酷使したため、からだの土台となる足腰にアンバランスが生じたというふうに感じられます。
そしてそれが骨盤、果ては胸、首までに及び、それがヒズみが徐々に蓄積されて狭心症という症状が起こったものである、という見立てに到りました。

ですので、ここでも心臓云々ではなく、心臓に負担をかけているバランスを、大本から整えていくという作業が、操法のすべてということになります。
最初は足首、そして双方の足、骨盤、お腹そして胸、首、頭部という順序です。

結果から言いますと、初回の操法後、毎日発作が出てそのつどニトロスプレーを服用していたのが、次回の操法まで約10日間、たったの1回しか出なかったということでした。
そして2回目の操法をおこないましたが、その後はまったく出なくなったとのことです。
でも大切なのは、狭心症が出なくなった状態ではなくて、からだのアンバランスそのものの調整なので、コリやハリが解消されることなのです。
それには、もうしばらく調整が必要です。

このようにOさんの狭心症は、アンバランスの結果、最後に発症したものですから、狭心症そのものの調整というよりは、バランスの快復そのものをおこなうことで解消したと言えましょう。
ただし、胸郭のなかでやはりある一点、狭心症を起こしている反応部分があり、その箇所をピンポイントで調整することが不可欠ではありました。

とはいえ、肩や首のコリのほうが時系列的に古いものですから、むしろこちらのほうがやっかいだったということをつけ加えておきます。