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観察と操法の実際

例・緊張型(緊張性)頭痛

愉和の操法がどのようにおこなわれているか、その実際のところを、ちょいとドキュメンタリーのような形でお伝えしてみたいと思います。
ここでは、緊張型頭痛を例にとってみましょう。

まず、どのような病気・症状でも最初は仰向けになってもらいます。
もちろん仰向けが辛いようであれば別の体勢をとってもらうこともありますが、できるだけクライアントさんには力を抜いてもらう方が観察がしやすいのです。

1、観察

クライアントさんには仰向けになってもらい、からだの裏面(背中面)に手を当てます。
実際には、仰向けになっているからだの下に手を差し込むような形になります。

主に左右のふくらはぎ、太もも、背筋、首筋です。
手を当てていると、その箇所が上か下か、どちらかへ流れるような感じが出てきます。
上に流れていけば下から、下に流れていけば上からテンションがかかっていると判断します。

こうしますと、おおよそですがからだの流れが、「上から下へ」なのか、「下から上へ」なのか、はたまた「右から左へ」なのか「左から右へ」なのかが掴めます。

で、経験的に言いますと、緊張型頭痛はだいたいが下からテンションがかかっています。

2、操法

観察の結果、右足の4趾の関節に詰まりがあるとします(足の指というパターンが多いのです)。
その、指の関節をつまんでみますと、かなりの痛みがあります。
実は、その詰まりが足のスジをひっぱり、骨盤、背筋を介して遠く、首筋、果ては一番上の頭までを引っ張るわけです。

仮に引っ張る力そのものは決して強くなくても、継続した引っ張りが確実に長期間行われ、徐々に頭部に詰まりを蓄積し、それが一定の臨界点を超えたとき、緊張型頭痛を招くのです。
ですから初期の、少ない蓄積であれば、さほど違和感は感じません。
しかし減ることはなく、粛々と蓄積されたものが多くなっていきますと、それが違和感、やがては痛みへと変わってゆくわけです。

ですから、(どのような病気・症状でもそうですが)頭痛は頭をどうかしようとしても、なかなか解決はしません

もしも緊張性頭痛が始まったのが数年前だとしても、原因はもっとずっと前からあったというのが理に適っていると私は考えます。

この場合、足の指の詰まりをほどくことが、緊張型頭痛を起こしている黒幕を叩くことになります。

ほどく手法ですが、それは詰まった関節(つまんで痛い箇所)を軽く押さえ、もう一方の手でその指の先も軽くつまむという、ただこれだけです。
ただしこのとき、どこも押したりはせず、力も入れません。これが必須事項です。
そうしますと、その2箇所が対応をして関節の詰まりがほどけてきます

これだけでもけっこう頭が軽くなることが多いですが、足から頭までの途上で、長いあいだ引っ張られ続けた箇所が、引っ張られて硬くなった状態のままで定着してしまっている可能性がありますので、足のスジの筋肉、骨盤の詰まり、背骨の詰まりなども診ます。

ほどく手法は上記とまったく同じで、特別なものはなにもありません。
硬くなっている箇所、詰まっている箇所に手を当て、いま一方の手で足の4趾を軽く押さえるだけです。
そうしますと、定着していたこわばりがほどけてきます。

これを忠実に実行しますと、典型的な緊張性頭痛は、確実に解消されてゆきます。
つまるところ、「緊張を力でゆるめる」のではなく、「緊張する必要がなくなる」ように導くわけです。

力は必要ない

上記お読みいただきますとおわかりになるかと思いますが、力は使いません。
操者がクライアントになにかしらの力を加えてほぐす、あるいは骨を動かすという行為は、私には意味を見出すことができません。

なぜかといいますと、からだというものは外から力を加えられて変化するものではないからです。
からだは、自分自身で変化します。
しかしてその変化する方向は、「からだの要求する処に向って」ということになります。
他から方向を決められて、強制的にそちらに力ずくで持っていかれようとしても、からだは当然、反発します。
あまりに方向が違いすぎると、毀れます。

ですから、変化そのものはからだにまかせた方が宜しい
操者がおこなうのは、からだがスムーズに変化できるよう、導いてあげることのみです。
であるならば、自然の法則に則っている限り、力を使う必要はまったくないことに、なんの不思議もないはずなのです。