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快復しにくい内臓疾患を操法する

内臓が弱いのは体質?

内臓疾患でも、同じ部位を繰り返し発症したり、あるいはなかなか快復しないというお話をよく聞きます。
たぶん、「これは体質なんだから仕方がない」、あるいは「仲良くつきあっていきなさい」などと言われているのではないでしょうか。

胃であれば消化器が弱いから、心臓であれば心臓にバクダンをかかえているから・・、などという考えかたになりがちですよネ。

でも、ホントに体質だから仕方がないのでしょうか。
もしかしたら、なにかを見逃してはいないでしょうか。

呼吸器にモンダイがある、あるいはぜんそくを持っている。
心臓に変動が起きる。
胃下垂であったり、腎臓に影があったり、血尿がある、などなど・・

私が診るかぎり、これらの多くは、そのようになるバランスになっている、というのが大きく実感するところです。
つまり、疾患を発症するそれ以前を読み解き、そこにアプローチをしなければ根本からの快復はムズカシイのではないでしょうか。

結果としてあらわれた「病気」のみにプローチし、投薬、あるいは手術をして病気は取り去っても、そうなるようなバランスが残っていれば、再発は起こりやすいということもまた、真実だと思うのです。

「体質」といいますと、もう変わらないもののように思えますけど、「バランス」だと考えますと、調整すればよいだけの話ですよネ。

肋骨と内臓疾患の関係

あまり医学でも、あるいは療法でもクローズアップされることの少ない肋骨(ろっこつ)ですが、私はこの「肋骨」に大きなヒミツがあるのではないかと思っています。

肋骨(ろっこつ)は、とても広くをカバーしています。
すぐに思い浮かぶのは、肺や心臓を包んでいて、保護しているということでしょう。
ただし、ただ堅固にガードすればよいということではなく、肺や心臓の律動にあわせて弾力をもって柔軟に動いてくれなくては困ります。
息を吸ったり吐いたりしながら肋骨(ろっこつ)が拡がったり収縮したりするのは、日々実感していますよネ?

ところがそれだけではなく、胃や肝臓も、肋骨はかなりの部分、カバーしています。
胃は、モノを食べると当然膨らみます。
それから、それを消化するために動きます。
ところが、肋骨(ろっこつ)に可動性がなく、そのはたらきを抑えてしまうようなバランスになりますと、胃は居心地が悪くなって下に下がったり、そのような圧迫を長いあいだ受け続ければポリープができたって、ぜんぜん不思議ではありません。

もちろん胆嚢(たんのう)や膵臓(すいぞう)や脾臓(ひぞう)、これらもそれらの臓器と関連しあって機能を発揮していますので、影響を受けない道理はありません。
それから、肋骨(ろっこつ)の下端をずっとたどっていきますと、やがて背骨に行き着きますよね。
そう、だいたいそのあたりに腎臓があります。

つまり、まずは生殖器以外の臓器というのは、肋骨によって制御されている面があると言ってよいのではないでしょうか。
ですから、内臓疾患を患っている方というのは、息が浅くなっていると思うのです。

肋骨の診かた

まず肋骨をとらえるためには、鎖骨(さこつ)とともに把握することが肝要です。
鎖骨が、肋骨を統制しているためです。
また、いきなり肋骨を診るべきではなく、肋骨にテンションをかけているこわばりがあることが多いので、そこをまずは調整することです。
これがなされないと、操法が徒労に終わってしまうことさえあります。

さて肋骨(ろっこつ)ですが、これは胸骨(きょうこつ)という、タテに伸びる胸の骨と、背骨という背面の正中線にある、細かい椎骨と呼ばれる関節の連なりを、輪っかのようにつなげている湾曲した長い骨です。

まず肋骨(ろっこつ)を診る前に、鎖骨(さこつ)を診ます。
胸骨との関節(胸鎖関節=ノドの下のグリグリ)のなかに圧痛点、硬結がないか。
それを押さえて息苦しい感じ、圧迫感があれば、歪んだりこわばったりしていると言ってよいでしょう。
これを調整します。

そしてようやく肋骨(ろっこつ)。
ひとつは、胸骨と肋骨の関節(胸肋関節=きょうろくかんせつ)にモンダイがないかどうか。
まったくなんのモンダイもなし、ということはまずありません。
ただし、調整しなくてはならないレベルのものかどうかは別です。

ほぼ例外なく(打撲による歪み以外は)、左がこわばっています。
これを、ほどきます。
押したり揉んだりしてはいけません。ヘタすると折れてしまいます。

次に、肋骨(ろっこつ)と肋骨のあいだの詰まりを診ます。
ゼリー状のものが詰まっていたり、骨の上にコツンとした小さな硬結が見つかることもあります。
これを、ていねいにほどいてゆきます。

このようにして肋骨(ろっこつ)を調整してゆきますと、しこりが見つかることもしばしばです。
けっこう気づいている方は少なく、そのときはじめて気づいて驚かれることが多いですネ。
お風呂に入るときなどは、たまにご自分で確認されることをオススメします。
で、しこりですが、通常はまず、その場でほとんどはほどけます。
気になる方は、いちおう検査をしておきましょう。

このように肋骨(ろっこつ)を操法していきますと、腹部から上が目に見えて変わることが多いです。

呼吸が深くなる。
頭が軽くなる、あるいはとれなかった頭痛が解消する。
顎関節症が治る。
肩こりがなくなる。
背中側が軽くなる。
めまいやメニエール、高血圧が解消する、などなど・・

そしてさらに精妙で細かいところに入っていきます。
肋骨(ろっこつ)の長い湾曲した骨のなかで、どこかに過敏になっている箇所があるとすれば、それがそこからつながる臓器に負担をかけている場合があります。
ところがこれもまた、非常に敏感な手指でないとわからない。
でも見つけるのに難儀することは、あまりないでしょう。
そこを押さえられれば、本人は痛がりますから。

もしもそれを見つけましたら、、まずはそこを押さえ(5グラム程度の圧=そっとふれているくらい)、もう一方の手でそこと反対側のあたりの肋骨にふれます。
こちら側は、一点のみ、共振する箇所があります。そこがわかればしめたもの。
ただし、ホンのちょっとズレただけでも効果は期待できないことがあります。

肋骨(ろっこつ)部分というのは、こわばっていても呼吸が浅くなるくらいであまり違和感として発症しないため、異常そのものに気づきにくいと言えましょう。

以上、いっさいの出し惜しみせず、肋骨(ろっこつ)の操法のキモを公開しました。
これでおひとりでも多く、疾患から解放されますように。

骨盤と内臓疾患の関係

これは主に婦人科疾患や前立腺の疾患、また便秘、下痢など腸の方面の疾患へのアプローチになります。
ただし、肋骨(ろっこつ)と骨盤の範疇が明確に峻別されるわけではなく、特に腹部などは双方の影響を受けることは忘れてはなりません。

最初の前提として、骨盤を調整するには骨盤だけをいじってもダメということです。
足首、膝、股関節はかならず診なければなりません。

その上で、恥骨と尾骨を診ましょう。
実はこのふたつこそが、生体の大本の土台ではないかと私は考えています。
双方正中線にある骨で、これが片側に圧迫されていますと生体の中心軸がズレ、それが上半身で増幅し、肩こりや頭痛、あるいは胸のしこりなどにも発展しやすいバランスになっているわけです。

ところが、どうやって正中線に位置しているのかを検証するのかといいますと、これはなかなか答えられる方は少ないンじゃないでしょうか。
しかも骨盤というのは開閉しており、さらに左右同時ではなく、交互に動いています。
では、どうしたらよいのでしょう。

それはひとことでお答えしますと、手指でさわった感触です。
正中線におさまっているというのは、単に位置がそこに在るということではなく、落ち着いている、安んじているという感触があります。
また、尾骨については圧迫を受けている側に硬結があったりします。
もうひとつ、恥骨と尾骨は連動しながら歪みますので、操双方間違いなく診るのが大切です。
ただし、間違っても調整するのに力はいささかも必要としません。
心身の深奥から湧き出る快適感覚(快復する感覚)とともに、からだ自身が自然と動き、調整されます。

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婦人科疾患を何度も繰り返していて、手術もされたことがあるという女性。
体調がずっとよくなく、気分もすぐれないとのこと。
私が診ますと、あきらかに恥骨が片側にズレていました。

恥骨のいちばん過敏になっている箇所を押さえ、別の腹部に手を当てますと、自然に恥骨のこわばりがゆるみ、もとの位置におさまっていくのがわかりました。
この操法をしているとき、昔子供のころ、股間をぶつけたことを思い出されたそうです。

この操法後、体調はすっかりよくなり、気分もよくなったそうです。
もちろん、何年も経過観察をしているわけではないので、もう疾患は出ないかどうかは断言できませんが、あきらかに疾患の起こりやすかった体質(バランス)は変わったという感触があります。

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次の観察点は、仙腸関節上です。
ここにいくつか集中して圧迫を受けやすい箇所があります。
腰痛治療の要となる場所でもありますが、これもやはり左が大きいケースが多いです。

あとはやはり中心に近いところ、中心から3側(指3本分ほど)のあたりまで診ること。
それとお尻のエクボから内側に入った梨状筋あたりも、座骨神経痛などでは重要なところです。

ここまでは全部背面のことですが、意外と前面は大切です。
そけい部は股関節の状態をあらわしますし、その上部も硬結があることがあります。
筋腫なども骨盤の歪みを補おうとするはたらきの一環であったりしますので、やはりバランスが大切なのです。

骨盤につきましてはあまりに複雑、また奥が深いので、細かく書いてゆきますと一冊の本くらいになってしまいましょう。
今回はこのあたりで筆を置きますが、またあらたに記すこともあるかもしれません。