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潰瘍性大腸炎の正体は・・

本当に難病なのか

潰瘍性大腸炎というのは、医学的には難病指定を受けています。
症状そのものが苦しく、日常生活を送るのに大きな支障をきたすにもかかわらず、治療方法が確立していないからでしょう。

・・でもそうしますと、腰痛もまた確固とした治療方法がありませんから、こちらだって難病といってもよいのかもしれません。

それはさておき、私が拝見した潰瘍性大腸炎のクライアントさんのお話です。Fさんとします。
この方は難しい、本当に難儀しました。
よくぞあきらめずにお越しいただいたと敬服します。

本当にこじれてしまって難しくなっている方は、サッサッと治っていくというわけにはいきません。
ですからもう、すぐにあきらめてしまう方もあります。

すぐには変わりようもないような難症の方がよくなるには、治療者との信頼関係がなにより大切です。
だからこそ私は、どんな(たとえ簡単と思われる)病気や症状でもからだを信じ、生命を信じて全身全霊で操法します。
あとは当事者ご本人がどう感じるか、ということなのだと思います。

とはいえ、私が言いたいのは潰瘍性大腸炎そのものが難しいという意味では決してなく、その方のからだが難しかったということなのです。

古い頭部の打撲があった

昔の打撲が離れた箇所を引っ張って悪さをするというケースはしばしばあります。
でもそれは比較的わかりやすく、調整に難儀することはまずありません。

頭のこわばりというのは、どこに圧迫をかけても不思議ではありません。
もしも頭部のこわばりが骨盤に圧迫をかけているのであれば、頭部を調整すれば済むお話ですので、できればそうあってほしいなァと、そういう期待をもって臨みました。

ところがあにはからんや、意外とやさしいかもしれないと思いつつ操法をしてみますと、実際には頭部の調整ではどこもゆるまず、逆に頭部が少しゆるむと別の箇所に違和感が出てしまう始末。
正直、私はアセりました。
足をやっても、腕をやってもどこかに違和感が出てきます。
これが、どこをやっても同じなのです。
「どこかがゆるむと、どこかがこわばる」

・・これには参りました。
正直なところ初回は、もうどうにもならない状態で終わりました。
私の完敗です。
しかしFさんのすごいところは、そのあとも通い続けてきてくれたところです。

ただし、その後も大きく状況を打開できる場面は少なかったと言ってよいでしょう。
それでも地道な作業が多少の功を奏し、薄皮をはがすようにではありますが徐々に徐々に、Fさんは快復してゆきました。
腸の具合も以前よりも調子がよくなってきました。
しかし症状は腸だけではなく、からだ中にコリやハリもあり、それがまだまだスッキリとはゆきません。

ですので私の感触としては、まだFさんのからだの状態は、「ここがこうなって、だからこのようになっている」というふうなまでの腑には落ちてはいませんでした。

本当は、腸や全身にテンションをかけている黒幕的ポイントがあったのですが、その頃はまだ、そこまでの観察眼はなかったのです。

骨盤のこわばり

潰瘍性大腸炎は主に腸の症状ですから、骨盤がこわばっているのは間違いない。
実際Fさんの骨盤はどうにも硬い、のです。
しかも、尋常ではないこわばり方です。

ただこれでやたら骨盤をいじっても、まず徒労に終わります。
どこからどうなって、骨盤に圧迫が行っているか、ということが重要なのです。

頭もこわばっています。
足首もこわばっています。
腕も、胸も、背骨もこわばっています。
それぞれを調整しても、骨盤はなかなか思うようにはゆるみません。

複雑に絡み合った圧迫

ようやくスッキリとするまでの快復にたどり着いたとき、その、さまざまに交錯したテンションの圧迫の在り方に、私は震撼を覚えました。
こんなところまでも細かくからだを読まなければ、快復しないからだもあるのだ」、と。

ざっくりとどのような状態かを述べてみますと、
足首の定着したこわばりがあり、それが上に圧迫をかけ、骨盤を下からこわばらせ、そのこわばりが骨盤の上に溜まってから、また戻るように骨盤の下部に圧迫をかけます。

それによって骨盤は、仙骨と腸骨がとても硬くなり、その硬さが頭部にも圧迫をかけ、それによって固くなった頭部がまた骨盤へと帰ってきて圧迫をかけていた・・と言えばよいでしょうか・・

これだけ硬くなりますと、生体組織も過敏になり、免疫細胞だって混乱して敵味方の区別がつかなくなるのもムリはない、と思えるのです。
しかしてその大本にあるのは、右足の趾(ゆび)の関節の詰まり、これこそが自己免疫疾患の重要な観察点ではないか、という思いを新たにするのでした。

とても簡単に言うと上記のような塩梅なのですが、他にも胸の打撲が悪さをしていたり、圧迫をかけられ続けた大腿骨もこわばっていたり、ここではすべてを表現するのは困難なほど、複雑に、しかもそれぞれが勝手気ままに悪さをしていた状況です。
これが、Fさんの潰瘍性大腸炎の正体でした。

そして特に、私が強く思うのは、細かい、詳細な観察力とクライアントさんとの信頼関係、そして忍耐強さがなにより大切であるということです。