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活元運動(自働運動)

活元運動(自働運動)とは、からだの奥から出てくる、意識しない動きです。からだを鍛える運動ではありません。
どうやってからだが歪んだか、またどうやって病へと傾斜したか、それがわかるのは他ならぬ本人のからだであり、いかなる抑圧がかかっていて、いかなる調整で解消されるかがわかっているのも本人のからだなのです。
自働運動とは、内に堆積している歪みを解消する運動を無意識のなかから引き出し、同時にそれをおこなうことでからだを敏感にし、異常があればそれをきちんと異常と感じられる、自然治癒力を豊かにする運動です。

合掌行気

がっしょうぎょうぎと読みます。これは掌(たなごころ・手のひら)で呼吸をする法です。

最初はイメージで構いません。掌で呼吸をする感じで、指先から息を吸い込み、手首の方まですーっと吸ってゆき、また指先へ向かって吐いていきます。徐々にピリピリ感を感じ、吸うときに手が吸い付いていき、吐くときに離れていくようになると思います。
これが愉気の基礎となります。
ポイントとしては、できるだけからだの余分な力を抜き、リラックスして掌に集注します。

漏気法

ろうきほうと読みます。息を漏らしながら下腹に落とす法です。

静座して手のひらを上にして膝に置きます。
力を抜いた状態で、はじめに胸に息を吸い込み、そのままウームとこらえながら下腹に落とします。
これは自働運動などを終えるとき、または途中で止めるときに、締めとしておこないます。
自働運動をやっていていきなり止めて、すぐに立ち上がったりしますと、眩暈が起こったりしますので、この呼吸法を覚えておくとよいでしょう。

活元運動(自働運動)

誘導法の第一、邪気の吐出

みぞおちのやわらかい部分に両手の中指をあてがって、ジワリと押しながらハァーっと一気に息を吐きます。
みぞおちのあたりは腹部の第一調律点ともいいまして、神経系統に関連してきます。つまり、さまざまな邪気の溜まりやすいところなのです。
この邪気を押し出す感じで、吐き切ります。
これを3回以上、あくびが出るまでおこないます。
あくびが出るということは、無意識の部分の動き(自働運動)が出始めた兆候とみてよいです。

第二、脊髄刺激法

自分の背骨を見るようなつもりで、からだを捻ります。
捻りながら後ろを向くとき背骨に力を入れ、ほぼ限界あたりでぽっと力を抜いて弛め、その反動で反対側へ行きます。
左右交互に7回づつおこない、最後にやりにくかった方へ1回足します。
これはリズムとメリハリが大切です。

第三、延髄刺激法

拇指を中に入れて拳をつくり、腕をあげて背中を反らしていきます。
奥歯を噛みしめる感じで、息を吐きながら首から背中に力を集中します。
そしてその力を入れ切った瞬間、ぽっと力を抜きます。
これを3回おこないます。
通常、腕を上げながら背を反らしていくときに息を吸うものですが、これを逆にすることで延髄に刺激を与え、内側からの動きを出やすくするのです。

それが終わりましたら、静かに手のひらを上にして膝に置き、瞑目して首の力も抜きます。

すぐにからだが動き出す方もいれば、そうでない方もおられます。
ただポカンとしてからだのたゆたう波にまかせます。
あまり意識しなくてもよいのですが、背骨で息(イメージでもよい)をしますと、動きが鮮明になってくることもあります。

反応について

自働運動をやっていくとからだが敏感になり、それまで気づかなかった異常に気づき、からだがそれに対応し、スムーズに自然治癒力を発動させるようになります。
その結果がなんらかの症状として、たとえば昔に打撲した部分が痛んだり、偏り疲労を修正するために発熱したり、そういった一見、悪くなったと思えるようなことが起こる可能性もあります。しかしそれを経過しますと、一皮むけたようにスッキリします。
反応のあり方は、それぞれ個々バラエティがあります。いずれにしましても、作為的な処置をすることなく、経過させることが大切です。
もっとも、あまり変化を感じずに過ぎる方のほうが多いようです。
段階としましては、

1、弛緩反応(だるさ、眠気など、からだが弛む)。
2、過敏反応(痛みや発熱などが起こることがあり、急性病に似た反応が出ることもある)。
3、排泄反応(悪いものを体外に出そうとする、発汗、大小の便、皮膚症状なども)。

の順となります。

これらの症状は、からだをリセットするための、自律自療の自然法です。
または、大きな病にかからないための生体の智慧と言ってよいでしょう。